先週、遊戯王マスターデュエルというゲームがリリースされた。
Steam、PS4、PS5、Switchのマルチプラットフォームでなんとあの遊戯王のカードゲームをプレイすることができる。
しかも基本無料で。
小学生の時に遊戯王の初期ブームがぶち当たっている僕としては目を引くニュースだった。
しかし、同時に期待はしてはいけないという気持ちもあった。
というのも、遊戯王黎明期を経験している世代だからこそのトラウマがあるからだ。
初期ブーム真っ只中のあの頃、定期的に遊戯王のカードゲームを題材としたゲームはよく発売されていた。
これがことごとくクソゲーだったのだ。
遊戯王OCG (以下OCG)とは全く別物のカード、そしてルール。
めちゃくちゃシビアなカード集め。(途中からポケモンみたいにバージョン分けたのもあったっけ)
今思い返してもめちゃくちゃにクソゲー。
たまに昔の懐かしいゲームをやりたい気持ちになるけど、遊戯王のゲームだけは全くそんな気持ちにはなれない。
思い出補正なんて絶対に無効化されることがわかりきっている、そんな代物だ。
さらに当時はそのゲームソフトに人権級の限定カードが付属していたのもタチが悪かった。
しかもその限定カードすらランダムという辛い仕様。
そんな辛い思ひ出だらけの遊戯王を題材にした今回のマスターデュエル。
正直これにはかなり驚いた。
OCGとまったく同じカードとルール。
いつでもどこでも誰かとデュエル。
ついにコナミが海馬コーポレーションを追い抜くことができたのではないかと思う。
実際にプレイするとテンポが悪かったり、Switchだとカクついたりと改善点はあるが、今後にめちゃくちゃ期待できるゲームだ。
(でもこのゲームガチでやるなら海馬も驚きの課金が必要になるのでは?という感じもする)
前置きが少し長くなったが、マスターデュエルをプレイしているとあの頃の遊戯王エピソードを思い出してきたので今日は語っていきたいと思う。
■紫水晶とブラックマジシャン
どうやら遊戯王のカードゲームが発売されたらしいという情報を手に入れた僕たち兄弟。
母親におねだりをして近くの書店で1パックずつ買ってもらったのだ。
どきどきしてパックを開ける。
よくわからないが【紫水晶】という字が光っているカードが当たり歓喜する僕。
羨ましがる弟。
(ちなみに紫水晶はマジでゴミカード、幼いながらに割とすぐに気がつく)
「わ!兄ちゃん、それレアカードやん!良いなぁ!」
「だなぁ!よくわからんけど、きっと良いカードだろうな!」
(あの頃の会話が懐かしくて少し泣きそうだわ)
次に弟がパックを開封。
なんとそこからは相棒でお馴染みの【ブラックマジシャン】が…
「うわ!俺も光ったカード出た!絵も光ってる!」と弟。
「マジかよ…」と死ぬほど羨ましい僕。
どうにかして僕はそのブラックマジシャンを手に入れたい。
「ちょっと見せてみ」
「うん、これ強いん?」
(ちなみに、当時弟は幼稚園とかで実は遊戯王のことをあまり知らない)
「あ、これ魔法使い族やね」と白々しく僕。
「魔法使いなん?すごいね!」
「俺の紫水晶で強化したアンデットの方が強いかもな」無論、嘘を付いている自覚あり。
ちなみに紫水晶はアンデット族に装備すると攻撃力と守備力を300ポイントアップというどうしうようもないカードだ。
今でもそれを装備してブラマジに勝てるアンデット族カードがあるのか?ってレベルだし、当時のカードプールにまともなアンデット族なんて皆無。
「えー、そうなん?」
「だって魔法使いとアンデットよ?」
「たしかに…アンデットって何か強そうやもんね(アンデットとは)」
「やろ?」
「うん」
「アンデットって漫画で強かった気がする(大嘘&アンデットって何だろ)」
「マジ?兄ちゃんめっちゃ当たり引いたやん!」
「だなー、でもこれ欲しいならそのブラックマジシャンと交換しても良いよ」
「え?!良いの?」
「今回だけな!」
「やったー!」
これが僕と相棒ブラックマジシャンの出会い。